しいたけの「軸」と「石づき」って違うの?どこまで食べられる?お答えします!

2022年03月17日

皆さんはしいたけを調理するときこんな疑問をもったことはありませんか?
「しいたけってどこまで食べられるんだろう?」

「傘は食べられる、その下の軸の部分は柔らかそうだけど、レシピサイトなどを見たら『石づきは取り除く』ってあるし…。というかそもそも石づきってどの部分??」

今回はそんな普段聞くことがあまりないシイタケの「軸」問題について紐解いていきますよ!

「軸」と「石づき」は違うもの?

まず、結論から申しますと、「軸」と「石づき」は違うものです!
分かりやすく、今回はこれから我が家で調理されようとしている原木しいたけ君に登場していただきましょう。

しいたけの軸と柄の比較画像

この写真にある通り「石づき」というのは軸の先の部分の少し黒ずんだところから先を言い、とても硬くて食られませんので、切り落として捨てるようにしてください。

「石づき」はしいたけと原木(菌床しいたけの場合は菌床)をつなぐ大切な役割を果たす部位です。

私たちが普段食べるキノコの部分は生物学的に言うと「子実体」と呼ばれており、これを作る菌類にとっては胞子を飛ばして子孫を残すための大切な器官です。したがって、簡単にもげてしまっては困ります。ですからしいたけは石づきで硬く原木にへばりついているんですね。

実際に、原木に生えているしいたけをもぎ取ろうとすると思ったよりも硬く、場合によっては木の皮が着いてきてしまうこともあります。

木の皮がへばりついたしいたけ軸の写真
今回調理した原木しいたけの中にも石づきに木の皮が付いたものがありました。

 

ちなみに、菌床しいたけは軸の途中からカッターで切って収穫しているため、石づきはついていない場合があります。原木栽培の場合は切り口から雑菌が入り込んでその後の収穫に影響が出る可能性があるため、カッターでは収穫しません。

※なお、多くの方が「軸」と呼んでいる部分は業界的には「柄」と呼ばれていますが、この記事ではわかりやすいように「軸」と表記しています。

捨てないで!「軸」は食材としても優秀です!

ここまで「石づき」は食べられないということをお伝えしましたが、逆に言うと軸は食べられます!
それどころか、ぜひ召し上がっていただきたい、とすら思います。

石づきを取り除いた軸を傘から切り落として眺めると、きのこらしくなくてパッとしない感じもしますが(失礼)、実は香りは傘の部分よりも凝縮されており、おいしくいただくことができます。

自然界でもこのことはよく知られているようで、原木シイタケ栽培の天敵でもあるサルは軸だけかじり取って傘の部分を捨てちゃうくらい…。シカも大きくなる前のしいたけを生え際からガリガリかじって食べてしまいます。

また、しいたけを代表する栄養分であるビタミンD傘の6割程度は含まれていますし、食物繊維の含有量も傘と変わりません。

そういえば、市販されているしいたけ以外のきのこはむしろ傘が小さくて軸をメインに食べるものが多いですよね。そう思うと余計捨てちゃうのはもったいないなと思いますよね。

エリンギやシメジなど軸がメインのきのこ画像
エリンギやシメジはむしろ「軸」がメインですね。

しいたけの軸のレシピ

ではここからは、軸のレシピについてお伝えします!

といっても、実は基本的な使い方は傘の部分と同じです。その中でも私が特におすすめする食べ方を紹介しますね。

<しいたけの軸イチ押しレシピ:生しいたけ編>

しいたけ軸の天ぷら

生しいたけの代表的な料理といえば天ぷらですよね!しいたけの繊細な香りもしっかり感じられる、とても相性の良い料理です。特に肉厚でつるりとした舌触りの原木しいたけの天ぷらは絶品です。

この天ぷらをする際、忘れてはいけないのが軸なのです!

軸は薄切りにして傘と別で揚げてみてください!

先ほども触れましたが、軸の部分は香りが抜群。さらに傘とは異なるコリコリとした食感ですので、しいたけの良さを二重に感じられる絶品料理となりますよ!

ポイントは軸を斜めに切ること。こうすることで食感を楽しみつつも食べやすい天ぷらを作ることができますよ。

 

シイタケの天ぷら画像
ちょっとわかりづらいですが汗、右下に見えるのが「軸」を薄切りにして天ぷらにしたものです。

そのほか、鍋の際は雑炊にしたり、輪切りにして炒めものに加えたりするとコリコリ食感が加わっておいしいですよ!

軸入り雑炊の写真
シイタケの軸入り雑炊は香りと食感がGood!です。

<しいたけの軸イチ押しレシピ:干しいたけ編>

干ししいたけの軸は戻した後も少し固めなので、薄く輪切りにしていただくのをお勧めします。

しかし、縦切りにしてもおいしいのがきんぴら。干ししいたけの軸だけではなかなか量ができないので、ゴボウやニンジンと一緒に甘辛く炒めてきんぴらにしてしまいましょう。お弁当にも使える便利な作り置きになりますよ。

また、乾燥したまま石づきの部分を削り、傘も柄も一緒におろし金ですり下ろすと簡単に戻し要らずのしいたけパウダーが出来上がります。どんな料理にも出汁代わりに入れていただくことができますよ。※必ず過熱してお召し上がりください。

ちなみに、当店のしいたけパウダー「しいたけっこ」は乾しいたけがまるごと入っています。いつものお料理にスプーン数杯加えるだけでお手軽に干ししいたけの旨味と香りを味わうことができますよ。

しいたけパウダー

 

最後に

いかがでしたか?これでもうシイタケの軸を捨てることはなくなりましたね。

私事ですが、以前燃えるごみを捨てようと思ったらゴミステーションにブロッコリーの芯が捨てられているのを見て悲しくなったことがあります。普段食べている食材でも軸や芯、皮といった美味しく食べられる上に栄養が豊富である部分を意識せずに捨ててしまっていることはありませんか?

せっかく食材の命をいただくのだから、できる限り余すところなくいただきたいものですね。

このサイトでは原木しいたけにまつわる様々な情報を発信しておりますので、面白いと感じられた方はぜひこちらから過去の記事もご覧ください!